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HIPHOPはアメリカ発のちょっと悪そうな音楽、と捉えられているかもしれないが、そうではない。 もはや、アメリカの代表的な文化である。
まだ文化と呼ぶには歴史は浅いが、1960年代後半からアメリカのNYでアフロアメリカンが多く住む地域(スラム街)が発祥と言われている。 今ではヒップホップと言うと、ラップミュージックを彷彿イメージするが、大きく分けて4つの要素で出来ている。
【ラップ】・【DJ】・【ブレイクダンス】・【グラフィティ】
これらはアメリカならではのギャング文化から、血が流れるのを嫌い、銃や暴力ではなく、上記のそれぞれの技術で優劣を競うようになったのである。 それぞれの名残として、フリースタイルバトルというものが今でも残っており、日本でもこの流れは引き継いでいる。 最近(ではないか)で映画になった、EMINEM(エミネム)の【8MILE】は記憶に新しいだろう。 あの映画のように、アンダーグラウンドなクラブでMICバトルを行ってスキルを競い合っている。
さて、歴史的な内容はこの辺にしといて、今回はそもそも音楽もだが、HIPHOP(ヒップホップ)を文化として楽しむには?というお話である。 堅苦しい表現だ!!おっしゃる通り。
ヒップホップも音楽だし、音にノッて楽しめればイイっしょ♪で問題はない。 ただ、それ以上にアメリカでは、文化として根付いているHIPHOP。その楽しみ方をお教えしようと思う。
もともとHIPHOPはパクリの文化である。
響きは悪いが、お世辞でも金持ちの文化とは言えず、お金のなかったNYのスラム街育ちのアフロアメリカン達が自分達の生活や、虐げられる生活への反抗心などを既存の曲のトラックに乗せて韻を踏みながら歌ったことから始まった。 「韻を踏む」というのは、例えば、皆さんも聞いたことがあるだろう「醤油、ラー油、アイラブユー」ってやつである。
語尾の音を合わせることで、流れるようなフローがHIPHOPの特徴である。
ここで、既存の曲をパクることを、ヒップホップでは【サンプリング】という。
サンプリングの手法も色々とあり、サンプリング元をそのまま使う【まんま使い】やどこかのフレーズだけを使うなど、そのサンプリングの手法もプロデューサーごとに全然違う。 前回の記事【地域性を越えたプロデューサー】で軽く紹介したが、最近で筆者自身もお気に入りのプロデューサー【Kanye West(カニエ・ウエスト)】はサンプリング元の曲はもちろんイイにも関わらず、その曲の終わりのパートで出てくる間奏の部分やあるフレーズだけをサンプリングするなど、サンプリングの手法も非常に凝ったものとなっている。 筆者から言わせると、「そこんとこ使ってきたか〜」という驚きばかりである。
このように、現在でもHIPHOPは過去の曲をプロデューサーが自分なりにサンプリングし、アレンジし、現代風に組み直して世に出している。 つまり、ヒップホップをさらに深く、文化として受け止めようと考えた時、この【サンプリング曲】を気にしてみるのが通な楽しみ方と言える。
レコードを購入する方は良く目にするかと思うが、盤面の中に下記のような記述がある。
(例)以前の記事【ブラックミュージックの地域性】でも紹介した、過去の東(NY)を代表するラッパー【Notorious B.I.G.(ノトーリアス・ビーアイジー)】こと通称ビギーの名曲【Mo Money Mo Problems】では
【Contains a sample from "I'm Comin' Out," performed by Diana Ross. Courtesy of Motown Records Company L.P.】
という記述がある。これは、
【Diana Ross(ダイアナ・ロス)というアーティストの"I'm Comin' Out"という曲からサンプリングしています。利用させてくれたモータウン社には感謝をします。】
といった内容である。
これはCDであれば、歌詞カードなどに曲ごとに表記がある。必ず表記しなくてはいけない内容なので、どこかに記述があるはずである。
この原曲であり、サンプリング元となるダイアナ・ロスの曲を聴けば、なるほど納得の【まんま使い】だとわかる。 こうして現在に生き返った曲と、過去の名曲を聴き比べ、どのパートを使っているのか?「そこんとこ使ってきたか〜」を知ってみるのは通だ。
過去の名曲に敬意を払い、現代に蘇らせ、そして、この現代の名曲も将来、サンプリングされる名曲となる。
歴史はまた繰り返す、ではないが、HIPHOPはそうして脈々と過去の産物を糧に、今後も成長していくのである。 逆に、現代の名曲のみではなく、時には過去の名曲を盤面や歌詞カードのヒントを元に、探し、掘り当て、聴いてみるのもオツだろう。
【好きなアーティストが自分の曲に使った曲=そのアーティストの好きな曲】でもあるので、ファンとしては、知っておいても悪くはない。
といった具合でHIPHOPをちょっと深堀りするのも良いと思う。
ただこの曲好き!でももちろん構わないが、さらに一歩踏み込んで聴いてみる楽しみを皆さんにも感じて欲しい。 それがHALL OF FAMEの情報提供をしたい内容だからこそ。
text: DJ JEWELZ
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